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それまでのロングノーズ&ショートデッキというスタイルから一変、ワイド&ローフォルムへと生まれ変わった4代目フェアレディZ。Z32という車両型式を持つこのモデルは1989年7月に登場し、国産車では初めて自主規制となる280psをカタログでうたいました。
ボディはショートホイールベースの2シーターと、ロングホイールベースの2by2が用意され、それぞれに3ℓV型6気筒ツインターボのVG30DETT(280ps)と、そのNA版VG30DE(230ps)を搭載。ミッションは5速MTもしくは4速ATが組み合わされました。また、2シーター、2by2ともにノーマルルーフと手軽にオープンエアを楽しめるTバールーフがラインアップされるなど、多彩なモデルバリエーションもZ32の魅力と言えました。
当個体は2シーターのツインターボ5速MTモデルをベースとして、アメリカ・ユタ州ソルトフラッツで行われている最高速の祭典、『ボンネビルスピードトライアル』に参戦するため、1991年に国内屈指のチューニングメーカー、JUNオートメカニックが創り上げた1台になります。
エンジンはオリジナルパーツで強化されると同時に排気量を3.1ℓに拡大。その両バンクにはポルシェのグループCカー用タービン、KKK製K27.2が1基ずつセットされ、最高出力はブースト圧1.8kg/cm2時に900ps、2.0kg/cm2時に1000psを超えます。
ボンネビルスピードウィークでは、この仕様で最高速261.932mph(421.536km/h)を記録し、当時のクラスレコードを大幅に更新しました。また、日本で組み上げられ、実速400km/hの壁を超えた国産車ベースのチューニングカーとしても極めてエポックメイキングな存在と言えます。
日本に戻ってきてから、最高速のみを狙った超ハイギヤードなファイナル比こそ3.5に変更されていますが、補機類を含めたエンジンの仕様は基本的にボンネビルを走った時から変わっていません。何より驚くべきは、チューニング内容がこれだけハードであるにも関わらず、ストリートでも至って普通に乗れてしまうということに尽きます。
ボンネビルのレコードホルダーという輝かしいヒストリーに加え、最高速に限らずあらゆるシチュエーションに適応することから、世界に誇る日本の優れたチューニング技術力を実感できる貴重な1台と言えるでしょう。